埼玉県立春日部東高等学校 野球部

Kasukabe Higashi High School Baseball-Club

春の大会の投手起用と試合の戦い方 (6月1日)

長い長い春の大会が終わりました。

県大会の二回戦からでしたが、26日の蕨戦はご存じの通り埼玉県高校野球史上初の0対0の15回引き分けになりました。

お互いに全く互角の戦いで、精神力の勝負になっていました。体力的には初戦ということもあり、十分な余力がありました。

ただ、本校の投手田中も粘り強く良く投げましたが、蕨高校の小副川君も素晴らしいピッチングを展開しました。特に蕨高校は

前々日に延長14回を戦い抜いたばかりでした。その時も小副川君が投げていましたので、びっくりするスタミナと精神力です。

選手は苦しい苦しい試合を経験し、間違いなく大会前より成長できました。

再試合は1日雨で延びて28日になりました。

本校の投手は疲れを考え、田中ではなく昨年の秋はエースナンバーを背負っていた丹羽にしました。

蕨高校は予想に反して、再び小副川君でした。

試合が始まり、小副川君のピッチングはどうかなと思ってみましたが、やはり疲れがあるとみえ思うようにボールが走らず、コントロールも良くありませんでした。それでもなかなか点が取れず苦戦しました。

結果は5対2で勝ちましたが、内容的には厳しい試合でした。

三回戦は29日、連戦になりましたが立教新座高校が相手でした。

昨年の春は、やはり県大会で当たり逆転負けしている相手で、記者からも木下君という球の速い好投手がいるので、どう戦うかと聞かれました。しかし、そんなことなど考える余裕もないままに対戦を迎えました。

この日の先発は投手陣の疲れ等を考え、左腕の小貝にしました。

小貝は直前の練習試合でも良いピッチングをしており、期待してマウンドに送りましたが、公式戦の緊張からか、コントロールが定まらず、1回表に1点を先制されてしまいました。すぐに追いついたので楽になりましたが、小貝のピッチングはその後も調子が上がらず、3回で交代させ、センターの熊谷をリリーフさせました。

4回に2点を取りましたが、5回に1点取られたので6回からは前日投げた丹羽をリリーフに送りました。

丹羽は良く投げ、その後はノーヒットで9回まで投げきりました。

追加点もあり、決して楽な試合ではありませんでしたが、4対2で逃げ切りました。

そして、いよいよ準々決勝の浦和学院戦を迎えました。

野球ファンならずみんなが知っている選抜ベスト8の強豪です。

おそらく、浦学のコールド勝ちを予想した人たちが多かったのだと思います。

中1日空いた30日に浦学対策をしました。一番は投手です。立教新座戦に2回だけ使った熊谷を当初から考えていましたが、あまりに内容が悪かったので迷いました。ブルペンで見たときにこれではだめだと思い、急遽手を下げてサイドにしてみました。そうしたところ見違えるようなボールを投げ始めました。右打者への攻め方と左打者の攻め方の確認を捕手の中村交えて行い、1日の試合を迎えました。

熊谷は期待通りの投球で、4回に1点を取られたものの粘り強く投げ、8回まで0-1で凌ぎました。

9回表、先頭の及川が期待に応えて左中間に二塁打を打ち、二死後、若月の奇跡的な起死回生のタイムリーで同点に追い着きました。

この一打が長い長い戦いを生む、文字通り値千金のヒットになりました。その後延長戦に入りましたが、再三のピンチを防いで15回を終えました。

一大会で二度の15回再試合はおそらく埼玉県高校野球史上初なのではないでしょうか。選手のあきらめない気持ちと相手を恐れない勇気に今回だけは頭が下がりました。

翌日2日は雨の降る中の試合になりました。前日投げた熊谷はセンターで使い、投手は中2日でしたが田中を使いました。

この田中も度胸良くインコースをストレート・スライダーで突いて外に落とす攻めで、6回に2点目を取られ追い着かれたものの同点ノーゲームに持ち込みました。

そして、2日間の雨で順延後、5日にやっと決着がつきました。

先発は中3日で熊谷を使い、相手は大会初先発の左投手。立ち上がりを攻め、松尾の三塁打と西村のヒットで先制し、さらに1点を取り主導権を握りました。その後も代わった山口君を攻め、4回に2点、6回に1点と効果的に追加点を取りました。

先発の熊谷は打たれながらも要所を締めて0点に抑えました。

結果は5-0で快勝と言っていい内容でした。

選手の普段にはない逞しさに感心するとともに、改めて高校生の可能性を再認識しました。また、選手個々の力の差は大きくても、戦い方によっては十分勝負になることを教えられた試合でした。

私たち監督が戦う前から限界を決めていたのではないか、また負けることを考えて戦っているのではないかと自分でも反省しました。選手には十分戦えると口では言っていながら、実際に本気でそう思っている監督や選手はどのぐらいいるのでしょうか?

今回の大会も組合せが決まった時点でベスト8で浦学と当たることが分かっていました。実際に戦うことになった時に何人かの監督さんたちから様子を聞きました。そうしたところ、皆が皆、言うことは一緒で「浦学は打力もすごいけど、足も速い。甘いところに投げるとカンカンいかれるよ。打線は防ぎようがないかな」ということでした。

困ったなあ、と思いましたが、浦学のバッターでもすべてのボールとすべてのコースを打てるとは思いませんでした。攻めようはあると考え、バッテリーに対策を伝えました。あとは選手が相手を意識しないで、普通に戦えるかどうかです。結果的には十分にできました。

今は関東大会も終わり、新たにチームを作り直しているところです。関東大会で帝京高校と戦い、浦学戦で感じたことと全く同じであり、どこと対戦しても基本は一緒だなと感じました。

夏に向けて、ここからどれだけチーム力がアップできるかが一番のポイントです。

今のままでは夏は勝てません。うちのチームとしての課題も山積です。選手がそのことを理解して、謙虚な気持ちで夏に向かえれば夏もおもしろい戦い方ができるでしょう。そうでなければすぐ終わるでしょう。

春学んだことを確実に力にして、精神的に高いレベルの野球ができるチームになってくれればいいなと期待します。そのために私も精一杯努力したいと思います。

期待していただいている関係者のためにも、夏はさらに力をつけて大会に臨みます。ご声援よろしくお願いします。

監督 中野春樹